想定読者
AIVS教科書が読めない子どもたちを読んだ人
まだ読んでない人
教員
今回はAIVS教科書が読めない子どもたちのレビューをしていきたいと思います。
ぶっちゃけ本全体のうち、後半だけ読んでくれればオッケーです。
後半だけ読むだけでもこの本の価値は十分にあります。
特に子どもと携わる人はこの本を前もって読んでおくことで、いざ仕事を始めたときに理想と現実とのギャップに困ることが少ないと思います。
この本を読んで私が長年感じていたことが確信に変わりました。
私は、仕事柄何年も子どもたちと関わってきました。
その中で感じたことは、
年が経つにつれ話が通じない子どもが増えている、ということです。
話が通じないというのは話を聞かないということではありません。
話をしっかりと聞いているにも関わらず、話の内容を理解できていないということです。
何度、繰り返し話してもすぐに忘れる。
同じ問題を解いてもまた間違える。
この本の中に書かれている調査によって分かったことを簡潔にまとめると
今の子どもたちは教科書を正しく理解できていないよ
ということになります。
この本の中では数々のテストの内容とその結果が載せられています。
テストと言っても大学入試のような問題ではありません。
非常に簡単な国語的な問題です。
一見すると、間違える人なんているのだろうかと思うレベルの問題もあります。
しかし、その結果は驚くべきものでした。
なんと、一番簡単に思えるテストでさえ、正答率が6割程度しかなかったのです。
高度なテストに関していえば、よくて5割到達している程度でした。
係り受けができていないなど国語の基礎的な知識が身に付いていないのです。
驚きの内容の嵐ですが、その中でも一番共感することがありました。
それは
読めない漢字を飛ばして読んでいる
ということです。
私が携わっている子どもたちにもこのような傾向があるので、自分に関わっている子どもたちだけではなかったのか、という一種の安心を覚えてしまいました。
では、どのようにすればこの現状を改善できるのか、というのが気になる点ですが、本書のなかには具体的には書いてありませんでした。
教科書を読む、正しく理解できるようになるには、音読をひたすら繰り返すしかないというのが私の考えです。
もちろん、形だけの音読に意味はないので一通り読んでみて分からない語句は調べる、分からない部分は聞く、という作業が必要となってきます。
地味で何の面白みもない作業ですが、まずはコツコツと一つずつやっていくしかないのだろうな、と思いました。
現在、教員をしている方たちのなかには
何でこんなにも話が伝わってないのだろうか
もしかして、自分の伝え方が悪いのでは
と思っている人もいるかと思います。
そんな方はまず、この本を読んでみてください。
恐らくですが、ちょっとした安心感があると思います。
それを知った上でこれからはどのようにしていけばいいかを考えるのが本当に子どもを理解するスタートになると思います。